見 立 旅 行 - Niwa Recording -

造園家・猪鼻一帆(INOHANA MUSOUEN)を道先案内人に <庭> の源流である海山川から河口の胸中までを旅するコラム企画。

星ノ鳥通信舎はその道行のお供として旅に同行しながら『遊庭記』としての読み物の執筆をおこない、一なる空間に百様の場景を生み出す <庭> の正体を透かし見るための奥座敷へと読者をご案内します。

庭がつくられる以前の世界から、庭がかたちづくられていく世界、そこに多面を映しとる情緒の世界まで。「文景」なる言葉の景色とともに <庭> をめぐる旅をお楽しみください。
Archive

Scenery of the journey 2024

1. 物語ノ踊リ場
2. ベトナム作庭記
3. 詩情ノ苗床
4. 苔ノムス間デ
5. 植物ノ楽屋
6. モンゴル作庭記
7. 石ノ文法
8. 雑竹林記
9. 朧顔 - 冬支度 -

案内人 | 猪鼻 一帆
連レ人(編集)| 星ノ鳥通信舎
Contents

Prologue

鳥虫草木が自由な線と音を交通させる <庭> は本来ことばを必要としない世界である。しかしながら、そこでは重力によって寝転がる石が人の手によって起き上がり、ことばではないかたちで意思を物語る。

自然のながれと人のはたらきが重なる <庭> はわたしたちの目にも耳にも手にも馴染んだ「文字」がかたちづくられてきた造字の世界観を思い出させるように、セカイとワタシの間に意味や関係が生じる瞬間、その <ま> のすがたをまざまざと見せつけることがある。

手もとに造園された自然である <庭> は文字やことばを産み落としてきた母体(mother)であるかもしれない。多様なセカイを象形・表意・表音してきた文字と出会いなおすように、<庭> の舞台におとづれる万象を拾い、そこから浮かび上がる「かたち」に万感を読む。

<庭> に皮一枚で触れる小舟を浮かべれば、わたしたちは「永遠のモダン」にうつろう時間の数々にまだ出会えるだろうか。
Schedule

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